2009年3月末時点での検討状況のまとめ
[2009/04/01, 04/03, 04/16]
光学系
- 「WISH: 光学系検討」諸隈 智貴 (日本天文学会2009年春季年会): ポスター, 3分講演資料
- 現在の光学系デザインでは、ピクセルスケールは0.15"/pix, 4k x 4k の検出器を10個配置し、1視野は1063平方分角
- ドーナツ型の視野であることに注意
- PSFはデザイン上はストレール比∼1.0となっている。1μmで回折限界(∼0.17")を目指す。
検出限界
上記光学系で主鏡・副鏡を110K, 焦点面付近を80Kに冷却した場合の期待される検出限界 (点源, 直径 0.6" aperture, 3σ, AB等級):
オンソース積分時間 | |||
---|---|---|---|
10 h | 20 h | 30 h | |
Filter 1 | 28.340 | 28.718 | 28.940 |
Filter 2 | 28.261 | 28.641 | 28.862 |
Filter 3 | 28.208 | 28.588 | 28.810 |
Filter 4 | 28.099 | 28.479 | 28.701 |
Filter 5 | 27.717 | 28.097 | 28.319 |
(左) 十分な冷却での積分時間と検出限界の関係, (右) 主鏡温度と検出限界の関係
サーベイデザイン
上記の光学系、焦点面上の検出器配置でのサーベイ方法などを含め、サーベイの詳細は2009年度の検討課題。以下は岩田の個人的試案。
フィルター, 検出器
検出限界推定に用いた、仮のフィルターセット。 フィルターが4μmまでしかカバーしていないことに注意。これは、サーマルエミッションの影響を抑えるため。十分な冷却が達成されれば、 5μmまでのカバーも可能と考えられる。 なお、全体を一枚のフィルターでカバーする方針を主として検討している。この場合、同時に撮像できるのは1バンドのみとなる。
中心波長(μm) | 半値全幅(μm) | ||
---|---|---|---|
Filter 1 | 1.4 | 0.6 | ascii table |
Filter 2 | 2.0 | 0.6 | ascii table |
Filter 3 | 2.6 | 0.6 | ascii table |
Filter 4 | 3.2 | 0.6 | ascii table |
Filter 5 | 3.8 | 0.6 | ascii table |
検出器については、>2.5μmに感度をもったものを使用するが、現在の検出限界検討では、 5μmまで感度がある場合、サーマルエミッションの影響を強く受けるため、 現在の検出限界検討では4.5μmにカットオフがあるQEを仮定している: 仮定したQE (ascii)
Ultra-Deep Survey (UDS)
- 短波長側のFilter 1, Filter 2, Filter 3を使用
- 各視野のオンソース積分時間: 20時間(Filter 1, Filter 2), 10時間 (Filter 3)
- 検出限界: Filter 1, 2: 28.5 AB mag, Filter 3: 28.0 AB mag (目標)
- 340視野 -- オーバーヘッド50% とすると完了に2.9年必要
Multi-Band Survey (MBS)
- UDS内の一部領域をFilter 4, 5でカバー
- 追加できればNarrow-Bandも?
- 各フィルターオンソース10時間で28.0 AB mag.(Filter 4), 27.7 AB mag. (Filter 5)
- 例えば100視野 (30平方度)をカバーするには0.34年必要(オーバーヘッド50%の場合)
Ultra-Wide Survey (UWS)
- 1,000平方度を掃く
- 3バンド、各フィルター30分程度 (25ABくらい)?
- オーバーヘッド50% で完了に 0.6年くらい
衛星構造
現在の光学系デザインを元にした構造案を検討中
データレート
- データ生成レート: 積分時間500秒、オーバーヘッド50%の場合、3.4 Mbps
- ダウンリンクレート: 最大 10 Mbpsで、SPICAと同程度
姿勢安定性
- Requirement: 積分中(<300-600 sec)の安定性 <100 mas、50 masが目標で、 従来の宇宙研による科学衛星よりも一段厳しい要求
- tip-tilt mirrorなどを用いないで衛星自体を安定させたい。低周波成分は星像を用いたトラッキング、高周波成分はジャイロによる除去が 基本になると考えている
- 今後の重要な検討課題のひとつ